益子を伝える絵と言葉について 益子を伝える絵と言葉について

益子町では、将来の姿を見据えながら新しい観光の在り方を考える観光戦略会議を立ち上げ、
将来ビジョンを「幸せなライフスタイルの共有」、
新しい観光のコンセプトを「日々の益子を暮らすように旅する」と定めました。
その考えのもとに発足した、住民主体のブランディング部会で、
実体験でのエピソードを語り、「益子の風土・風景を読み解くプロジェクト」の基礎資料を読み込み、
改めて益子の価値や魅力を探りながら作成したのが、
このポータルサイトで紹介する「新しく、益子を伝える絵と言葉」です。
ここでは、作成に関わったメンバーのメッセージとアーティストのことをお伝えします。

メッセージ

未知の日常へ。栃木県益子町
やわらかく変化に富む里地・里山の風景の中、
小さな生き物も植物も樹木も、育てられる農作物も手仕事の品も、
実に多様な姿で、ここにあります。
先人たちの痕跡も、いまに生きる人の生業の立て方も、
そして暮らしのありようも、
さまざまな個性を放ちながら、共存しています。
小さくとも個が光り、多様な個が多様なままに、
この風景の中にともに在り、
自分の暮らしは自分でつくり生活文化を創造していく。
そんな気風に満ちた町。

多様性と創造性が同居する土地では、
日常の景色や営みも豊かに多層的に広がります。
益子に暮らす私たちも、まだ出会えていない「未知の」日常があり、
益子を訪れてくださる方たちには、
新鮮な驚きや小さな感動とともに、
自分の暮らしへの有形無形の手がかりが得られる
「未知の日常」があります。

2020年、新型コロナウィルスの感染拡大が世界的に続き、
移動を伴う観光や交流の制限を余儀なくされ、
経済面でも健康面でも、そして将来への不安も抱えながら、
あらためて「日々の暮らし方」を大切に考える機会が増えています。
これまで観光の中で語られてきたのは、
テーマパークやリゾート地など特別な場所での
「非日常」「異日常」というキーワードでした。

2021年、私たちは「日常」に立ち戻り、「日常」こそを大切に、
新たな体験と交流の場をつくり出していきたいと思います。

ブランディング部会座長 簑田理香

描いた人
素描家 shunshunさん

そびょうかしゅんしゅん
高知県生まれの東京育ち。2012年に千葉から広島へ移り住む。建築設計の仕事を経て作家活動へ入り、美術館や博物館のポスターや書籍の装丁イラストを制作。国内各地や台湾でも個展を開催。目の前の風景と情景、そして光を、ペン1本で、点と線で、描き出す。
https://www.instagram.com/shunshunten/

益子へは、会社員時代に陶器市に訪れたことがあるというshunshunさん。2020年の1月に、数年ぶりに益子にきていただきました。特別な日ではない、ふだんの益子。益子の人と、生業と、風景との出会いの中から、新しく益子を伝える絵が生まれました。

  • 季節の移り変わりに気づくこと。季節ごとに違う表情を見せてくれるこの町の夕焼け、裏の林から聞こえる野鳥の鳴き声、誰かの庭の木や道端に咲く花。町の中にある身近な「自然」が季節を感じさせてくれる。

    池田絵美(Natural Bakery日々舎)
    東京都出身。益子へ移住し、starnet、益子町観光協会勤務を経て、2016年に天然酵母を用いたベーカリー「日々舎」をオープン。

  • 益子は陶芸だけじゃない!7つの国指定文化財をはじめ多くの歴史が残されています。おすすめは小宅古墳群。春になると古墳群の丘が菜の花と桜に覆われて青空を合わせたコントラストは最高!ぜひお散歩に。

    坂倉永悟(益子町生涯学習課:部会発足当時)
    埼玉県出身。2015年に地域おこし協力隊として赴任。その後、採用試験を受けて町職員となり、文化財の調査や記録、日本遺産事業などに携わる。

  • 益子町は、手仕事作家さんをはじめ「面白い個人の集まり」みたいな町!人との出会いがまず面白い。都会からの移住者も多く、「なぜ益子に?」と問いかけると、いつも新しい世界が見えるんです。

    大塚康宏(ウェブクリエイター)
    益子町出身。2016年に首都圏から地域おこし協力隊としてUターン。任期終了後は、ウェブサイト制作やデザインワークで地域振興に関わる。

  • 陶芸に限らずいろんな作り手が住む町です。農家さんや職人さん、カフェ・パン屋さんだって作り手です。そんな色んなものを作り出す手と手が繋がっているからこそ、益子の日常は素敵なのだと思います。

    神田智規(B&B益古時計/道の駅ましこ)
    富山県出身。北海道でペンション経営を志すが、人の縁や土地の縁が繋がり益子で開業。2016年の開業当初より、道の駅ましこ支配人を務める。

  • ちょっと元気が足りない時は、あの自家製酵母のパンを美味しい珈琲とお気に入りの器で。心穏やかにしたい時は、あの小径をゆっくりのんびり長めに散歩。会った人とちょっとおしゃべりして充電完了です。

    中山久美(民芸店ましこ)
    益子町出身。民芸店ましこは、1952(昭和27)年に開業した益子で初めての益子焼専門店。2代目のパートナーとともに、民芸を入り口に、訪れる人と益子を繋ぐ。

  • 自宅の周りを散歩することが好きです。森や田畑、小川など、その日によって様々な表情があり楽しみがつきません。拾った木の実をリースの材料にすることも。のびのびできて、子育てにも良い環境です。

    深谷真紀子(益子町企画課:部会発足当時)
    益子町出身。首都圏の大学を卒業後、そのまま首都圏に留まるか悩みつつも、故郷の豊な自然の中で暮らしたいという思いで、Uターン。

  • なだらかな曲線が広がる農村丘陵地の田野地区。陶器店や工房、美術館、紺屋が点在しクラフトタウンを印象づける中心部。ローカル列車が走る牧歌的な田園と、七井地区。それぞれ魅力的な町の風情です。

    萩原一貴(はぎわら観光)
    益子町出身。都内で演劇人として活動したのち益子へ帰郷し家業を継ぐ。自社農園とレストラン、キャンプサイトの開設など日々の益子を楽しむ事業を展開。

  • 都内からのアクセスもよく、ちょっと足を伸ばせば、たくさんの自然に出会える益子町。
    そこには職人が作る益子焼と、四季折々の野菜や果物、都内では味わえない時間が流れる、自然の中で自然と調和したカフェがあります。

    吉村想一(吉村農園)
    益子町出身。いちご農家に生まれ育ち、吉村農園の3代目。就農して10年経ってようやく、農業やいちごづくりの面白さ、やりがいがわかってきた。